台湾にローソンはなぜ進出していない?現地在住者が詳しく解説

台湾生活

日本では大手コンビニチェーンの一角を占める「ローソン」。一方、台湾には同じく日本で存在感の高い「セブンイレブン」「ファミリーマート」はあるのにも関わらず、ローソンは進出していないんです。

そこで今回は、台湾にローソンはなぜ進出していないのか、現地在住者の僕がわかりやすく解説していきます。

今後、台湾にローソンが進出する可能性も調査してまとめているので、ぜひ最後までご覧くださいね。

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台湾にローソンはなぜ進出していない?

早速、台湾にローソンはなぜ進出していないのか、主な理由をまとめてみました。現地在住者ならではの僕の経験も混ぜてお伝えしていきますよ。

①台湾は世界的なコンビニ激戦区

まずローソンが台湾に進出していない最大の理由でもあるのが「台湾は世界的なコンビニ激戦区である」という点です。

台湾における人口当たりのコンビニ店舗数は韓国に次いで「世界第2位」であるほどの高水準を維持しており、市場が飽和状態になってしまっているんですね。(参考:中央通信社

ずっきー
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都市部では数十メートルおきに店舗が並ぶことも珍しくありません。
中にはセブンイレブンとファミマが隣同士の店舗も見つけたことがありますw

また「立地」の問題もローソンにとって大きな障壁となっています。

人通りの多い交差点、駅前、住宅街の入り口といった優良な物件は、すでに先行する大手チェーンによって何十年も前からマークされています。

コンビニ経営において立地は生命線ですが、特に台湾の主要都市部では新規参入者が入り込む「空白地帯」を見つけるのは、もう難しいのかもしれないですよね・・・。

②台湾はセブンとファミマのシェアが圧倒的

台湾のコンビニ界は「セブンイレブン」「ファミマ」のシェアが圧倒的で、台湾のコンビニといえばこの2強のイメージが定着しているのも、ローソンが参入しにくい理由になっているでしょう。

また、この2社は単に店舗数が多いというだけでなく、長い時間をかけて「台湾のコンビニ文化そのもの」を作り上げたため、後発ブランドが入り込む余地はほとんど残っていないんです。

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台湾国内のコンビニ店舗数は1万数千店を超えていますが、そのうちの約8割以上をこの2社だけで占有しています。

セブン‐イレブンは台湾で最も早い段階から積極的に店舗網を広げ、都市部から地方の小さな町までくまなくカバーする存在になりました。

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台湾セブンイレブンのキャラクター「OPENちゃん」も人気ですよ!

どこに行ってもセブンがあるという安心感は、台湾の生活者にとって一種のインフラに近く、公共料金の支払いや宅配受取、税金関連の手続きまで、セブンが生活の入口になっているほど。

✅台湾のセブンイレブンについて徹底解説!日本との違いは?

一方のファミマもセブンに次ぐ規模を持ちながら、独自のサービスやローカルとの連携で確固たるポジションを築いてきました。

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台湾では需要の高い「コインランドリー」が付属した店舗なんかもありますよ!

地域限定商品や台湾ブランドとのコラボ企画を矢継ぎ早に展開し、都市部を中心に「セブンがない場所を埋める存在」として、生活の隙間に入り込んでいます。

台湾ファミマ限定の「ソフトクリーム」も名物の一つですね~!

✅台湾ファミマ限定!月替わりソフトクリームが人気!

結果として2社で事実上の寡占状態で、新しいコンビニチェーンの入り込む余地がほとんど残っていない状況なんですよね。

③台湾への進出はローカルパートナーが必須

台湾でコンビニ事業を展開するには単に店舗を開くだけでは足りず、現地企業との強力なパートナーシップが欠かせません

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現地のビジネスを熟知し、大きな資金力を持つローカルパートナーと手を組むことで、大きく成功に近づけるんですね。

その中で台湾のセブンイレブンは、実は台湾で有数の巨大な財閥「統一企業グループ」が運営しているんです。

統一企業グループは単なる出資者にとどまらず、台湾全土に張り巡らされた物流網、不動産開発におけるコネクション、そして台湾人の嗜好を熟知した商品開発力を提供し、セブンイレブンを「台湾の国民的インフラ」へと押し上げたんです。

このように、現地を知るローカルパートナーの存在が市場への成功のカギを握っているんですが、統一企業グループレベルの凄腕会社を見つけるのは正直ハード

ローソンが進出に踏み切れないのは、このパートナーシップ問題も大きな障害として立ちはだかっているんですね・・・。

④ローソンの海外戦略が「東南アジア・中国寄り」

また、ローソンはそもそも海外戦略として「東南アジアと中国市場を軸にしている」のも台湾に進出していない大きな理由として考えられます。(引用:Retail News ASIA

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ローソン自身が台湾よりも成長余地の大きい地域にリソースを集中させており、既に飽和状態の台湾は優先度の高いターゲットとして想定されていないんですね。

ローソンは特に中国への進出に力を入れており、上海や重慶などを中心にすでに数千店舗規模を展開しており、日系コンビニとしてはトップクラスの成功を収めています。

また、タイやフィリピン、インドネシアなどの東南アジア国家は若年層の人口比率が高く、これからの経済成長と共に中間層が伸び、コンビニ需要が右肩上がりになることが予想できますよね。

つまりローソンは「台湾に進出しない」というより、「他の地域が圧倒的に魅力的だから台湾を後回しにしている」という感覚に近いですね。

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台湾にローソンが今後進出する可能性は?

ここまで読んでみて、「じゃあ台湾にローソンが進出する可能性は極めて低い?」と疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

ただ、2024年にローソンは台湾で「LAWSON」「LAWSON STATION」などの商標を出願しました。ローソンは公式に「具体的な出店計画はない」と回答しているものの、台湾での店舗展開の布石とも考えられています。(引用:フォーカス台湾

ローソンは過去の海外戦略でも商標出願やライセンス契約を先行させ、市場の様子を見ながら慎重に進出を決定してきました。

台湾に関しても、商標を確保したことで「参入への準備は整った」という状態を作っており、今後パートナー企業や有利な立地条件が揃えば、限定的または本格的な出店の可能性もあり得るでしょう。

要するに、現状は「即時全国展開」ではないものの、商標を取得し戦略的選択肢を確保したことで、ローソンが台湾市場に進出する可能性は以前よりも現実味を帯びているといえます。

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台湾へのローソン進出に要期待!

今回解説したように、台湾は既にコンビニ業界が飽和状態のため、大手のローソンであっても新規参入が難しい状況になっています。

ただ、2024年にローソンが台湾で商標登録をしたように、着々と準備を進めている可能性も否定できません。今後の動きに乞うご期待ですね。

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