台湾のスマホメーカーまとめ!ASUSやHTCなど一覧でご紹介

台湾生活

ASUSやAcerなど、ハイテク産業の活躍が著しい台湾。パソコンメーカーは知っているものの、台湾にスマホメーカーがあるのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、台湾のスマホメーカーを一覧でまとめてみました。

台湾スマホメーカーについて詳しく解説するほか、台湾のスマホ市場のシェアなどもお伝えしているので、ぜひ最後までご覧くださいね。

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台湾のスマホメーカーは?一覧まとめ

現在も積極的にスマホ事業を展開している主要メーカーは、主にASUSとHTCの2社です。

一方で、過去にはPCメーカーとして名高いAcerや、ドイツのシーメンスを買収し大きな話題を呼んだBenQも市場に参入したんですよ!

以下に、これらの主要な台湾スマホメーカーを一覧にまとめてみました。

メーカー名主要ブランド現在の状況創業年特記事項
ASUS (エイスース)ZenFone, ROG Phone活動中1989年PCおよびマザーボードで世界的なシェア。現在はハイエンドおよびゲーミングスマホに注力。
HTC (エイチティーシー)Desire, Uシリーズ事業転換1997年2008年に世界初のAndroid端末「HTC Dream」を開発したパイオニア。現在はVR事業「VIVE」が主力。
Acer (エイサー)Liquid撤退1976年PC大手。スマートフォン市場に参入したが、競争激化により撤退。
BenQ (ベンキュー)BenQ, BenQ-Siemens撤退2001年ドイツのシーメンス携帯電話部門を買収したが、短期間で事業破綻。現在はディスプレイなどが主力。

ここからは、一社ずつスマホ事情について解説していきますね。

ASUS:ゲーミングスマホが大人気!

PC業界での確固たる地位を武器に、ニッチ市場で輝きを放つのが「ASUS」。以下に詳しく解説していきますね。

ZenFoneシリーズが一躍ブームに!

ASUSは、もともとPCおよびマザーボードやグラフィックカードといったPCパーツの製造で世界的な名声を確立した企業です。ご存じの方も多いでしょう。

その圧倒的な技術力とブランド力を背景に、2012年にスマホ市場への本格参入を果たしました。日本市場においては、2014年に発売された「ZenFone 5」がその第一歩となりました。

「ZenFone 5」は多くの海外メーカーが対応を見送っていたNTTドコモの800MHz帯(プラチナバンド)に対応し、大きなインパクトを与えました。日本市場へのきめ細やかな戦略が功を奏し、ASUSはSIMフリー市場で一躍人気メーカーの地位を確立しました。

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ちなみに「ZenFone」というブランド名には、日本語の「」が由来として込められており、「心に平和をもたらす、無駄のない美しさ」を表現しているそう。

初期のASUSスマホ戦略において重要な役割を果たしたのが、PC事業で培った米インテルとの強固な関係でした。

当時インテルが注力していたスマホ向けプロセッサを積極的に採用することで、市場の大多数を占めるQualcomm製プロセッサ搭載機との差別化を図り、価格競争力を維持していました。

しかし、2016年にインテルがスマホ向けプロセッサ事業から撤退したことで、ASUSも他社と同様にQualcommなどからチップを調達せざるを得なくなりました。

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これにより、かつての差別化要因が失われ、中国メーカーが仕掛ける激しい価格競争に巻き込まれていくことになったんです・・・。

ハイエンドとゲーミングで巻き返し

インテル製プロセッサという武器を失い、ミドルレンジ市場での消耗戦を強いられたASUSは、2019年に大きな戦略転換を決断します。

それは、競争が最も激しいミドルレンジ以下のモデルを大幅に削減し、利益率の高いハイエンドモデルと自社の強みを最大限に活かせるゲーミングスマホに経営資源を集中させるというものでした。

この戦略シフトの背景には、中国メーカーとの不毛な価格競争から脱却し、特定のニーズを持つユーザー層に深く刺さる製品を提供することで、確固たるブランド価値と収益性を確立する狙いがありました。

現在、ASUSの全売上高に占めるスマホ事業の割合は1〜2%程度と決して大きくはありません。しかし、同社が今後の成長の柱と位置づける商用PCやAIoT(AIとIoTの融合)事業と並行し、企業全体の技術力を示し、ブランドイメージを牽引する象徴的な役割を担っているんですよ。

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ASUSのスマホは、特にテクノロジーへの関心が高い男性や若年層のユーザーから強い支持を受け、リピーターが多いとも言われています。

主力ブランド①:ZenFoneシリーズ

ASUSの一般向けハイエンドスマホを代表するZenFoneシリーズは、近年そのコンセプトを大きく変化させています。

かつての「コンパクト・ハイエンド」路線から、市場のトレンドに合わせた大型ディスプレイ搭載モデルへと舵を切りました。

ZenFone 12 Ultra

ZenFone 12 Ultraは、ASUSが2025年に投入したハイエンドスマートフォンです。

従来のZenFoneシリーズと比べて一回り大きな6.78インチ有機ELディスプレイを搭載しており、リフレッシュレートはゲーム時最大144Hz、普段使いでも1~120Hzの可変対応で滑らかな表示を実現。

処理性能は現行で最上位クラスのSnapdragon 8 Eliteを採用し、12GBまたは16GBのRAM、256GBまたは512GBのストレージ構成。負荷の重いゲームやマルチタスク操作でもストレスなく使うことができますよ。

バッテリーは5,500mAhで、最大65Wの急速有線充電と15Wのワイヤレス充電+に対応。防水防塵はIP65/IP68を両立し、屋外利用にも安心。3.5mmイヤホンジャックやデュアルスピーカーも健在で、Wi-Fi 7やBluetooth 5.4など最新通信規格にもきちんと対応しています。

主力ブランド②:ROG Phoneシリーズ

ASUSのスマホ事業におけるもう一つの強力な柱が、ゲーミングブランド「ROG」を冠したROG Phoneシリーズです。

ゲーミングPC市場で培った豊富なノウハウと絶大なブランド力をスマホに注ぎ込み、「ゲーミングスマホ」というニッチ市場を創出し、現在ではその市場を支配する存在となっています。

ROG Phone 9 / 9 Pro

最新モデルである「ROG Phone 9」シリーズは、モバイルゲーミングの頂点を追求した究極のデバイスです。

プロセッサには、Qualcommの最新鋭チップ「Snapdragon 8 Elite」を搭載。メモリは最大24GB、ストレージは最大1TBと、もはやゲーミングノートPCに匹敵するスペックを誇ります。

ディスプレイは最大185Hzという驚異的なリフレッシュレートを実現し、タッチサンプリングレートも720Hzと、プロのeスポーツプレイヤーが求める極めて高い応答性を備えていますよ。バッテリーは5,800mAhの大容量で、長時間のゲームプレイをサポート。

また、長時間の高負荷状態でもパフォーマンスを維持するための高度な冷却システム「AeroActive Cooler X Pro」や、本体を横持ちした際にコントローラーのL/Rボタンのように使える超音波式ショルダーボタン「AirTrigger」なども特徴的です。

✅ASUSについて詳しくは以下記事で解説!

HTC:世界初のAndroid機を開発!

ここからは、台湾でスマホ事業を展開するもう一つの企業「HTC」について解説します。HTCは世界で初めてAndroid搭載のスマホを開発したんですよ!

HTCはスマホ市場のパイオニア

HTC(宏達国際電子)は1997年に創業し、当初はCompaqの「iPAQ」など、PDA(携帯情報端末)のODMを手掛けることで急成長を遂げました。Windows Mobileを搭載した自社ブランド端末も展開し、黎明期のスマホ市場で確かな技術力を示していました

HTCの名を世界に轟かせたのは、2008年の出来事です。Googleと共同で、世界初の商用Android搭載スマホ「HTC Dream」をリリース

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HTCの開発したスマホが、今日まで続くAndroidスマホの幕開けだったんですね!

HTCはスマホ市場のパイオニアとしての地位を不動のものとします。日本市場においても、2009年にNTTドコモから国内初のAndroidスマ「HT-03A」を発売し、大きな注目を集めました。

その後もHTCは快進撃を続け、革新的な製品を次々と市場に投入。2011年には携帯電話の絶対王者であったNokiaの時価総額を上回るまでに成長し、まさに絶頂期を迎えます。

しかし2012年以降、Appleとの長期にわたる特許訴訟で経営資源を消耗し、さらにSamsungの強力なマーケティング攻勢や、Xiaomiを筆頭とする中国メーカーの台頭による激しい価格競争に直面。市場競争が激化する中で、HTCは徐々にシェアを失い、長い赤字に苦しむこととなりました

そして2017年、HTCは大きな決断を下します。GoogleのPixelシリーズの開発を担っていたスマホ事業の一部を11億ドルでGoogleに売却。これは事実上の事業の大幅な縮小であり、HTCがスマホ市場の主戦場から一歩退くことを意味するビッグな出来事でした。

現在はVR市場で活躍中

スマホ事業で苦境に立たされたHTCが、次なる成長の柱として活路を見出したのが「VR市場」。2016年に高性能VRヘッドセット「HTC VIVE」を発売して以降、経営の主軸をVRデバイスとそのエコシステム構築へと大きくシフトさせました。

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現在のHTCにとって、スマホはもはや単体の事業ではなく、自社が推進するメタバースプラットフォーム「VIVERSE」への入り口、あるいは連携デバイスという位置づけになっているんですね。

VRグラス「VIVE Flow」や高性能なXRヘッドセット「VIVE XR Elite」とスマホを接続し、VR空間でコンテンツを楽しんだり、アバターを作成したりといった連携機能が、現在のHTCスマホの最大のセールスポイントです。

2022年に「HTC Desire 22 pro」で日本市場への復帰を果たしたのも、このVIVERSE戦略の一環でした。

スマホ単体での競争を避け、VRという自社の強みと結びつけることで、独自の価値を創出しようとしているんですね~。

Acer:Liquidシリーズを発売するも撤退

世界有数のPCメーカーであるAcerもまた、そのブランド力を活かしてスマホ市場への参入を図った企業の一つです。

Acerは「Liquid」というブランド名でAndroidスマホを展開しました。しかし、AppleやSamsung、次々と台頭する中国メーカーとの厳しい競争に直面し、市場はすでに飽和状態。

その結果、Acerはスマホ事業で確固たる地位を築くことができず、最終的に市場からの撤退を余儀なくされました

Acerの苦戦の背景には市場環境の厳しさだけでなく、製品そのものが抱えていた課題も大きく影響しています。

最も頻繁に指摘されていたのが、バッテリー寿命の短さ。比較的大きな筐体にもかかわらず、GPSやWi-Fiをオフにした最小限の使用でも1日持たないという報告が多数見られ、ユーザーの大きな不満点となっていました。

また、ゲームなどの高負荷な処理を行うと端末が著しく発熱し、パフォーマンスの低下や場合によってはコンポーネントの故障に繋がるケースもあったそうです。

カメラやスピーカーの品質が低いといった基本的な性能面での不満も多く、Acerは「フラッグシップ」として投入したモデルでさえ、市場の期待に応えるだけの完成度を提供することができませんでした。

✅Acerについて詳しくは以下記事で解説!

BenQ:シーメンス買収も撤退

もともとAcerの周辺機器製造部門から独立したBenQは、2000年代初頭に携帯電話事業に参入し、ODMと自社ブランドの両輪で成長を遂げていました。

そして2005年、BenQは世界を驚かせる一手に出ます。当時、携帯電話事業で巨額の損失を出し、売却先を探していたドイツの名門電機メーカー「シーメンス」の携帯電話部門を買収したのです。

この買収により、BenQはシーメンスの持つブランド力、技術、そして欧州市場への販売チャネルを一挙に手に入れることを目論みました。新会社は「BenQ-Siemens」ブランドを立ち上げ、市場での飛躍を目指しました。

しかし、わずか1年あまりで残念な結末を迎えることに・・・。BenQ-Siemensは巨額の損失を出し続け、親会社であるBenQの経営を圧迫。2006年9月、BenQは資金援助の停止を決定し、BenQ-Siemensは破産を申請しました。

この破綻の背景には、様々な要因がありました。まず文化的な統合の失敗で、台湾の迅速な意思決定を重視する企業文化と、ドイツの慎重でプロセスを重んじる企業文化は相容れず、効率的に組織運営ができず終わりました。

また、買収前からシーメンス携帯部門の主要顧客であったMotorolaが取引を停止するなど、主要顧客の離反も大きな打撃となったそうです。BenQ自体の財務基盤が、赤字を垂れ流す巨大な部門を支え続けるには脆弱であったことも指摘されています。

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台湾スマホ市場のシェアは?

ここでは、台湾市場のスマホシェアについて解説。市場シェアの動向からユーザーの消費行動までを分析し、台湾メーカーが置かれている立場と、市場のリアルな姿を浮き彫りにします。

台湾スマホ市場では「Apple」「Samsung」が人気!

台湾のスマホ市場で絶対的な王者として君臨しているのが「Apple」。iPhoneは販売台数シェアで常にトップを走り、時には市場全体の40%台後半から50%近くを占めることも。

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新モデルが発売される時期にはそのシェアはさらに拡大し、販売金額ベースで見ると、高価格帯であるiPhoneの支配力は一層顕著になります!

そのAppleを追うのが、韓国の「Samsung」。ハイエンドのGalaxy Sシリーズから、コストパフォーマンスに優れた中価格帯のGalaxy Aシリーズまで、幅広いラインナップを展開しています。

これにより、Appleに次ぐ2番手の地位を確固たるものにしています。特定の月でSamsungが販売台数トップになることもあり、市場における強力な存在感を示していますよ。

3位以下は主に中国・韓国系のブランドによる激しい競争が繰り広げられています。OPPOvivo、そしてXiaomi傘下のRedmiなどが僅差でシェアを争っている状況です。

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台湾メーカーであるASUSやHTCは、残念ながら自国市場の販売台数シェアでトップ5にランクインすることは稀で、基本的にトップ10圏外に位置しています。

ただ、ASUSはゲーミングスマホであるROG Phoneを中心に高価格帯製品で人気を呼び、販売「金額」シェアでトップ10に返り咲くことがありますよ!

最新データに基づいた台湾のスマホ販売台数シェアを以下にまとめてみました。(2024/12)

順位ブランドシェア率 (%)
1Apple42.9%
2Samsung21.5%
3OPPO11.5%
4vivo8.4%
5Redmi4.8%
6Google2.0%
7realme1.6%
8Sony1.4%
9POCO1.1%
10Motorola(ランクイン)
HTC(ランク外, 15位)
ASUS + ROG(合算で約1.5%, 8位相当)

台湾でのスマホ普及率や人気アプリは?

まず、台湾におけるスマホの普及率は極めて高く、GSMAの予測では2023年時点で86%、2030年には96%に達するとされています。

別の調査では、携帯電話所有者のうち98.7%がスマホを使用しているというデータもあり、ほぼ全国民がスマホを日常的に利用している社会であることがわかります。

SNSの利用状況を見ると、メッセージングアプリの「LINE」が台湾の人口の約95%に普及しており、単なるコミュニケーションツールを超え、社会インフラの一部となっています。

その他、FacebookYouTubeも広く利用されており、これらのプラットフォームが情報収集や消費行動に大きな影響を与えています。

また、消費行動における重要なキーワードが「コスパ(CP値)」。特に台湾のZ世代(1990年代後半から2010年代序盤生まれ)は、価格を重視しつつも品質を妥協しない、コスパの高い製品を求める傾向が強いと指摘されています。

例えば、SamsungのGalaxy AシリーズやOPPO、Redmiの中価格帯モデルが販売台数ランキングの上位に常に名を連ねているのは、まさにこの「CP値」を重視するユーザー層のニーズを的確に捉えているからと言えるでしょう。

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台湾にもスマホメーカーがあった!

今回ご紹介したように、台湾にもASUSやHTCなどのスマホメーカーがあり、過去にはAcerやBenQなどの主要ハイテク企業もスマホ市場に参入していたことがわかりました。

特にゲーミングスマホに興味ある方はASUSの商品を、VRに興味がある方はHTCの商品を、ぜひ触ってみてはいかがでしょうか。

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