台湾の東南に位置する「台東」。地方都市の台東には台北や高雄などと比べて目立った観光スポットがなく、何もないと思っている方も多いでしょう。
そこで今回は、台湾の台東には本当に何もないのか、台東に実際に2週間住んで確かめてきました。
台東で感じたことや見つけたことなどをまとめているので、台東に行くか考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
台湾の台東はどんな場所?

台湾の台東は、南東部に位置している自然と文化が豊かな地域。台東県の面積は台湾全体の約10分の1を占め、東側は太平洋、西側は標高2,500メートル級の中央山脈に挟まれています。
176kmに及ぶ海岸線には砂浜や岩礁、珊瑚礁が点在し、内陸には深い谷や広大な平原、原始林が広がっていますよ。離島の緑島や蘭嶼(ランユー)も台東県に属し、独特の生態系や文化を持っています。
また、台東は台湾の中でも先住民族文化が色濃く残る地域として有名。アミ族、プユマ族、パイワン族、ブヌン族、ルカイ族、タオ族など複数の民族が暮らし、それぞれの伝統や祭典、工芸、食文化が今も息づいています。先住民の集落や文化体験施設も多く、多様な文化に触れることができるでしょう。

「布農部落休閒農場」ではブヌン族の文化を体験できますよ。

台東は農産物や海産物も豊かで、特に「池上米」は台湾国内外で高く評価されています。

お茶や金針花、バンレイシ(釈迦頭)、カツオ、バショウカジキなども名産品。グルメやお土産も充実しており、B級グルメや新鮮な海の幸を味わえますよ。
台北や高雄からは鉄道や飛行機でアクセス可能。市街地から離島へはフェリーや飛行機で移動できますよ。
本当に何もない?
グーグルで検索すると「台湾 台東 何もない」というキーワードが現れるように、台東には何も無いと思っている方も多いでしょう。
そこで僕は実際に2週間住んで確かめてみましたが、台湾の台東には自然やおしゃれなカフェ、地域性のある観光スポットが多く、台湾の穏やかな場所に行きたいという方には非常におすすめの場所だと思いました。

実際、友人から「台湾でお気に入りの場所は?」と聞かれたら「台東」と答えることが多いです。(ガチ)
どこからでも山が見える穏やかな雰囲気や作業スポットの多さから、台湾の中では一番のノマドワーカーの聖地なのではとも思いました。
ガンガンに観光というよりゆっくり過ごすプランなら、台東はぴったりな場所と言えるでしょう。
台湾の台東がおすすめな理由4選

ここからは、僕が台東をおすすめする理由をより具体的に解説していきます。実際に訪れたおすすめスポットもたくさんご紹介しているので、気になる方はぜひ最後までご覧くださいね。
①自然豊かでのんびり

台湾の台東をおすすめする一番の理由は「自然豊かでのんびりしている」という点でしょう。どこからでも山が見えるほど自然に囲まれた地域で、台北の空気とは別世界です。

中心部ならおいしいローカル店や作業カフェ、雑貨屋さんなどがそろっており快適に過ごすには十分な環境。住居費も安いので、台湾でスローライフを送りたいという方にとっては最強なのではないでしょうか。
②ローカル店が温かい
台東では様々なローカル店に行ってみました!その中でもおすすめのお店を2軒紹介しますよ。
鄉林素食館

鄉林素食館は台湾で一般的な「ベジタリアン料理」のお店。

自助餐というビュッフェ形式のお店で、野菜を中心に健康的な料理をいただけますよ。
✅ベジタリアン料理ローカル店「自助餐」についてはコチラ

ここの店主さんは本当に温かくて、閉店時間ギリギリに訪れた際には残っていたオクラをモリモリサービスしてくれましたw

僕は台湾全土の色んな自助餐のお店に寄ってきましたが、ここの自助餐は本当に温かさマックスでした。
台東古早味寶桑豆花

台東古早味寶桑豆花は、台東にある有名な豆花屋さん。豆花は大豆を原料にして作った身体に優しいスイーツで、台湾を代表するおやつといっても過言ではありません!

伝統のある台東古早味寶桑豆花では、柔らかくておいしい豆花を堪能できますよ。ローカルならではの温かい雰囲気も魅力的でした。
③おしゃれなカフェが多い
台湾の台東はオシャレなカフェが多いのも特徴。台東中心部ではオシャレなカフェ巡りもしたので、お気に入りの店舗を2つご紹介しますね。
BLUE SENSE

台東にいる間よく通ったのが「BLUE SENSE」。ここはスタイリッシュな広々とした空間が特徴で、作業したい方にもぴったりですよ!

電源やWi-Fi、立って作業できる高さの机などが完備され、本当に最高の居心地で作業ができました。料金も良心的なのが嬉しかったです!
2 Hao Cafe

「2 Hao Cafe」はホステルの1階に入居しているオシャレカフェ。

落ち着いた環境で作業できましたよ。ホステルのカフェというだけで気分も上がりますよね!
④観光スポット
台東は隠れざる観光スポットが豊富なのも見どころです。台北の観光スポットと比べると知名度では劣りますが、地域性が感じられて面白いですよ。
台東觀光夜市

台東の夜市といえば「台東觀光夜市」(現在は南京広場に移設)。毎週木曜日から土曜日の夕方~深夜にかけて開催されるローカル色豊かな夜市です。

規模は比較的コンパクトで、端から端まで歩いても15分ほどで気軽に回れますよ。地元の人々や観光客で賑わい、週に3日間だけの開催という特別感も相まって、活気に満ちています。

屋台グルメのほか、夜市の定番であるゲーム屋台や射的、パチンコ台などの娯楽が揃っており、家族連れにもぴったりです!
鐵道藝術村&台東火車站旅遊服務中心

鐵道藝術村は、台湾東部・台東市の旧台東駅跡地を活用した芸術と歴史の複合施設。
もともと1922年に開業した台東駅は、台湾東部の鉄道発展の拠点として長く機能してきましたが、2001年に新駅への移転とともに廃止されました。その後、駅跡地は地域の歴史と文化を伝える場として再生され、2003年から「台東鐵道藝術村」として活躍していますよ。


ホームや転車台、線路、ディーゼルカーなど鉄道の歴史を物語る設備が今でも保存・展示されているのは素晴らしいですよね。
隣には「台東火車站旅遊服務中心」というビジターセンターもあります。

台東の情報収集をしたい方も、まずここに訪れると良いかもしれません。
鐵花村音樂聚落慢市集

台東の鐵花村音樂聚落慢市集は、かつての台鉄貨倉や宿舎をリノベーションして誕生した文化・芸術の発信地です。色んなジャンルのアーティストたちが共同で運営し、台東の新たなランドマークとして親しまれていますよ。

音楽を中心とした多彩なイベントやアート活動が日々行われており、特に夜は現地アーティストや原住民ミュージシャンによるライブ演奏が楽しめます!

週末や祝日には「慢市集」と呼ばれるマーケットが開かれ、地元の手作り雑貨、オリジナルアート、台東産の農産物、工芸品などが購入できますよ。


音楽とともにゆったりとした時間が流れ、とても居心地が良かったです。
カラフルな熱気球型のランタン装飾も鐵花村のシンボル。一般参加のワークショップで制作され、夜になると幻想的な灯りが村全体を包み込み、写真映えスポットとしても人気を集めていますよ。


芝生に座って音楽を楽しんだり、飲み物片手にアート作品を眺めたりと、チルタイムにぴったりすぎでした!
寶町藝文中心

寶町藝文中心は、日本統治時代に建てられた町役場の職員官舎群を活用した歴史的な文化施設です。1936年に建設され、当時は台東町長や市長、また一級職員の官舎として使われていたそうですよ。

戦後も市の公館や宿舎として利用されてきましたが、老朽化により一時は取り壊しの危機に。しかし、地元の文史研究者や建築学者の尽力によって保存・修復が進められ、2000年代初頭に現代的なアートスペースとして再生されました。

現在は主に地元の文化財や歴史資料の展示、小規模な講演会やセミナー、アートイベント、原住民の手工芸品展示など多目的に利用されています。

復元工事では日本から職人を招き、伝統的な工法を用いて本格的な修復が行われたそう!昔の建物を大切にする台湾ならではの良さを体感できますよ。
台東ではアクティビティも楽しもう!

台東はアクティビティが豊富なのも大きな特徴です!以下では、特に有名な台東のアクティビティ体験を集めてみましたよ!
台湾国際バルーンフェスティバル

台湾国際バルーンフェスティバルは台東で毎年夏に開催される、台湾を代表する夏イベントの一つ!2011年に始まり、2025年で15周年を迎えます。会場は台東市から北へ約25km、自然豊かな鹿野郷の高台で開催されていますよ。
例年7月上旬から8月下旬までの間、約40日間にわたり開催されますよ。2025年は7月5日から8月21日までの日程です。世界各国から集まった色鮮やかな気球や、キャラクター型などユニークな気球が台東の空を彩りますよ。

今年はドラえもん特集!?気になる方は公式サイトをご覧ください。
そんな台湾国際バルーンフェスティバルの開催地「鹿野郷」までの乗車券がKKdayでお得に購入できますよ!興味がある方は要チェックです。
朝日温泉

緑島にある朝日温泉は、世界的にも珍しい「海底温泉」として有名。
屋外の温泉は海に面しており、太平洋の水平線から昇る朝日を眺めながら温泉に浸かれますよ。夜には満天の星空を楽しめるのも超魅力的ですよね・・・!
台湾で有名な温泉の一つなので、台東に来たら外せないスポットですよ!
原住民の文化体験

布農集落レジャーファームでは、原住民ブヌン族の伝統文化と自然体験が楽しめますよ。
弓矢射撃やレザーカービング、魚への餌やりといった体験型アクティビティが人気。革細工や織物のDIY、アロマオイルやレモングラスソープの手作り体験もあり、園内で販売されている工芸品や特産品も充実していますよ。

ブヌン族伝統の「八部合音」と呼ばれる多重和声の合唱パフォーマンスも人気。幼いころから歌い込んできた選ばれた人だけが歌うことを許される特別なものらしいですよ!
台東に来たらぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
台湾の台東は穏やかでチル旅におすすめ
台湾の台東は穏やかな雰囲気が魅力的で、ガンガンに観光したいというより、台湾でチルに過ごしたい方にうってつけです。
自然に触れあったり伝統的な文化を学ぶにもぴったりな場所なので、迷っている方はぜひ台東に訪れてみてくださいね。
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